どうやらオレたち いずれ死ぬっつーじゃ ないですか

読書備忘録

本に関する、備忘録に近い記事となります。

最近読んだ本だけでなく、

昔読んで感銘を受けたり、単に好きだったものなどを 紹介していきたいと思います。

サブカルちっくおふざけ感満載、だけじゃない

今回取り上げたのは、「どうやらオレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか」

著者は、みうらじゅん氏とリリー・フランキー氏。

著作というか、対談集です。

いきなりですが、最近あまり本を読んでいませんでした。

昔はバカみたいに読んでいたのですが

老眼が顕著になってからこっち、目が辛い…という理由で

本を手に取らなくなってしまいました。

しかし幸いというか、なんというか。

家人は老眼にもめげず、本を読む人で。

自分では買わなくなったものの、家人は本屋に行っては

雑誌やら文庫やら新刊やらを買いこむため、家に本は溢れています。

趣味は違うのでスルーしていましたが、たまに

「これ、おもしろいから読んでみ-」なんて声もかかります。

また家人は、読んだらよっぽど気に入った本以外は読み捨てる人で

本を捨てることに抵抗のある私は、「私、まだ読んでないし」と

捨てられようとした本を拾ってきて「積ん読」状態だったりも。

今回テーマにした「どうやらオレたち、 いずれ死ぬっつーじゃ ないですか」も

そんな1冊です。

タイトルと著者をみただけで、「サブカルかー」とか、

「きっとふざけた内容なのね」と思いつつ、

だからこそ、気軽に手に取れるわね。と読んでみたわけです。

しかし、第一章の「人生」にまつわることの冒頭、

「不安とは?」の項目で、はからずも感銘を受けることになったのでした。

言い当てられてしまった感と、やっぱりふふふ感

「不安とは?」の冒頭で「そもそも安定があると思い込んでいるから不安」

という言葉がありました。

そして、「未来の話をどんなに考えても、全部は当たってないから悩む」

「人が不安だと思っていることは、漠然としている」とも。

いままさに自分は「漠然とした不安」を抱えているのだなぁと思い至って

かなり刺さりました。

そういう刺さる箇所というのは、他の章でもちょこちょことあるものの

全体的には、お気楽に読める本…という感じです。

刺さるというのは、読む側の気持ちの問題だったりもするので

「全ての人に刺さる」なんてことはありませんが

ついつい頭でっかちに考えがちだったり、

なんか漠とした不安を持っている人にとっては

それを笑い飛ばすような、かつ、考えを変えることで

打開できる面もあるのだなーという。そういう気づき方も

読み方によってはできる本だと思います。

とはいえ、サブカルお笑い系の部分は貫いているので

ふふっと笑わせてくれるような話もしっかり入っています。

そのあたりは、面目躍如って感じでしょうか。

本の構成としては、2人が対談しているものを

編集者が再構成しているというもので、

各項目ごとに、どーでもいい(と私は思った)脚注が

ついていたりします。

若い世代では知らないことを補完するという意味もあっての

脚注かと思いますが、それよりも「サブカル感」を出すための脚注

という気もしなくもない。

このあたりは著者というより編集者の趣味なのかなーとも。

有意義なヒマ潰しができた(褒め言葉)

はっきりいうと「人生が変わるから、絶対読んだ方がいい」

という類いの本ではないと思います。

(てか、本から影響は受けることはあると思うものの、

 それで人生変わるって…と思うタイプなもので、はい)

それよりも、ヒマしてたらヒマ潰しに読んでみたら?というおすすめの仕方が

正しいのかと思います(まー、正しくなくてもいいんですが)。

だけどまぁ、本質的(と私が思う)言葉が

バカみたいな話の中に散りばめられているので

ヒマ潰しに読んでみたら、なかなか有意義なヒマ潰しになった気がします。

能動的にアクティブに過ごしている時よりも

あれこれ考えすぎて勝手に四面楚歌に陥ってる場合に読むと

「あー。そうね。いらないこと考えすぎていたかも」と思いつつ

「やるべきことはちゃんとやらないとね」と建設的な思考になれる

(少なくとも私はちょっとそうなった)一冊でした。

追記

あとで奥付を見てみたら、この本は2011年初版でした。

そういえば文庫化もすでにされているみたいだし、

対談の脚注で「東日本大震災が起こる前」みたいなことも

書いてあったような。。。

出版から10年後に読んだわけですが、エッセイ等ではありがちな

時代にそぐわない感が全くなかったのは、

私の頭が10年変わっていないのか、はたまた

時代の閉塞感みたいなものが、もう10年以上続いているからなのか。

それとも、本質は時代を選ばないということなのか。

などとも感じました。

¥605 (2022/06/22 13:07時点 | Amazon調べ)

コメント

タイトルとURLをコピーしました