「老化を治療」 やっぱり『そもそも総研』がおもしろかった件

からだ

テレ朝のモーニングショー、木曜日のコーナーである『そもそも総研』。

先週の「老化は病気」の話が面白く、第2弾もあるとのことで

楽しみにしていました。

でも報道内容などによって、コーナーがぶっ飛ぶことも多いので

ホントにやるのかなー、続き見たいなー、と思ってましたが

無事放映されましたよ!

2021年2月3日放映『そもそも総研』のざっくりした内容

今回、テレビの前に陣取って、しっかり視聴しましたが

やっぱり録画とかはせず。なのでネット等で調べられる範囲では調べましたが

今回もやっぱりうろ覚えのところがあり…

正確でないところがあったりしたら、ごめんなさい。

「そもそも老化を治療することはできるのだろうか?第2弾」です。

先週に引き続き、東京大学医科学研究所の中西真教授と

順天堂大学大学院の南野徹教授へのインタビューを中心に構成されていました。

先週の放送では、細胞分裂を行わなくなった「老化細胞」が

たくさん蓄積すると、「老化」が進んでしまうという話がメインでした。

だとすれば、「老化細胞」を除去することで、

死ぬまでずっと若々しく元気でいられるようになる…とのことでした。

詳しくは下記の記事をご覧ください!

そして今回の「老化を治療」する方法ですが、

中西教授と南野教授ではアプローチの仕方が異なります。

東京大学医科学研究所・中西教授のアプローチ

東京大学医科学研究所・中西教授の研究では、

老化細胞を除去するために薬剤を用いる、というものです。

細胞の中にはリソソームという小器官があり、

これが細胞内で消化器官のような役割を行っています。

細胞内でリソソームが壊れると細胞が酸性になり、

自己分解して細胞が壊れ消滅します。

しかし「老化細胞」内では、リソソームが壊れても中性を保とうと、

アンモニアを作り出すGLS1が発生します。

そうすることで、老化細胞は生き長らえるわけですねー。

そこで、GLS1の働きを止める薬剤を投与。

これにより、中性が保てなくなって、老化細胞は自滅するという

仕組みなんだそうです。

…と、かなりにざっくりな説明ですが

調べてみると、東京大学医科学研究所のホームページにプレスリリースとして

老化細胞除去についての発表概略の記事が掲載されていました。

私的には、けっこう難しくて理解しきれない部分もありましたが、

それでもおもしろく感じました。

興味がある人は、ぜひチェックしてみてください。

老化細胞を選択的に除去するGLS1阻害剤が 加齢現象・老年病・生活習慣病を改善させることを証明|東京大学医科学研究所

順天堂大学大学院・南野教授のアプローチ

一方、順天堂大学大学院・南野教授の研究では、薬剤ではなく

「免疫」で老化細胞を除去するというものだそうです。

老化細胞には「老化抗原」というものが存在するそうで、

まずはその「老化抗原」を特定し、

その「老化抗原」の一部が入ったワクチンを開発します。

ワクチン投与により抗体が作られ、抗体は老化細胞にくっつきます。

そして免疫細胞に「ここに老化細胞があるよ~」と教えるわけです。

免疫細胞が老化細胞を攻撃して、老化細胞を除去するという仕組みだそうです。

この「老化抗原」というのは臓器によって異なったりするので

適したワクチンを投与することで、

身体の部位にあわせた治療も可能になるとか。

順天堂大学大学院・南野教授の研究についても

ホームページで紹介されています。

老化細胞除去ワクチンの開発に成功|ニュース&イベント|順天堂大学
順天堂大学・大学院の公式サイトです。医学部、スポーツ健康科学部、医療看護部、保健看護学部、国際教養学部、保健医療学部・医療科学部・健康データサイエンスの8学部と医学研究科、スポーツ健康研究科、医療看護研究科、保健医療学研究科の4研究科そして6医学部附属病院からなる健康総合大学・大学院大学として教育・研究・医療を通じて社...

また、ワクチンとは異なりますが、順天堂大学大学院では

お菓子会社として有名な株式会社ブルボンと、産学連携で

共同研究講座「先進老化制御学講座」を開設しているそうです。

老化細胞を除去できる食品が生まれる…というのも夢じゃないかも。

共同研究講座「先進老化制御学講座」開設に関するお知らせ|ニュース&イベント|順天堂大学
順天堂大学・大学院の公式サイトです。医学部、スポーツ健康科学部、医療看護部、保健看護学部、国際教養学部、保健医療学部・医療科学部・健康データサイエンスの8学部と医学研究科、スポーツ健康研究科、医療看護研究科、保健医療学研究科の4研究科そして6医学部附属病院からなる健康総合大学・大学院大学として教育・研究・医療を通じて社...

「老化の治療」は、いつ実現できるか?

老化細胞を除去することで、老いとは無縁になる!

夢のような話ですよねー。でも実用化には時間がかかって

自分が生きているうちは関係なさそう・・・と思いきや

そうでもなさそうなんです。

順天堂大学大学院・南野教授は、「希望的観測」としつつ

ヒトによる臨床試験を5年後に目指しているとのこと。

また東京大学医科学研究所・中西教授は

「薬の実用化は、10~20年後」を目指しているとのことですが、

NASH(非アルコール性死脳性肝疾患)の治療薬、

またその後は早老症の治療薬と、段階を踏んだ実用を含めてのこと。

今のところ「老化」は治療の対象とはなっていないため、

段階を踏む必要があるとのことです。

実際、アメリカではGLS1阻害剤は、

がん疾患に対してのヒトへの臨床試験がすでに始まっているそう。

実用化のハードルは下がっているので、

ほんとうに10~20年後には使える薬が誕生するのかも・・・。

ただし、残念ながらこれらの研究は「不老不死」ではありません。

「老化」やそれに伴う病気は治療できても「不死」はなく、

寿命を迎えれば死に至るわけです。

死の直前まで元気でいられたら…介護などの問題の解決にもつながり、

理想的っちゃ理想的ですよね。

その反面、いくつになっても見た目がピチピチ若いというのも。

いまでも「え?それで50代?美魔女じゃん!」って方が

いらっしゃったりしますが、90歳の美魔女、100歳の美魔女なんてのが

巷に溢れるようになるのも、それはそれでコワイかも、とも。

いずれにせよ、今後も注目しておきたい事項といえそうです。

◆ご注意:テレビ朝日のモーニングショーHPには

『そもそも総研』のコーナーが設置されていますが

とんと更新されておりません(2022.2.4現在)

Twitterは比較的マメに発信されているようです。

おまけ

こんな本も見つけました! 興味深いので読んでみようかと思っています!

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