50~60代、帯状疱疹はワクチンで予防

からだ

帯状疱疹ってご存知ですか?

年齢とともに免疫力が低下することで

発症しやすくなる病気で、皮膚に水疱ができるだけでなく

神経にそって痛みが走ります。

50代から発症率が高くなって、80歳までにはおよそ3人に1人が

発症するというから、明日は我が身かも。

これ、けっこう痛いです。しかも痛みが長引くこともあり、やっかいです。

一説によると、2021年に入ってから帯状疱疹の発症が増えているとか。

コロナ禍でストレスが増え、外出制限や在宅勤務で運動量も減ってしまい、

免疫力が低下して、帯状疱疹の発症が増加しているのではないかということです。

そもそも帯状疱疹とは?50~60代ならウイルス保持は高いかも

帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスで起こる病気。

水ぼうそうって、子供の頃にかかったり、予防注射を受けた経験がありますよね?

飛沫感染や接触感染だけでなく、空気感染するウイルスで

感染力も強いことから、現在3歳までの間にワクチン接種することが推奨されています。

このウイルス、水ぼうそうが治ったあとも、なんと体内に潜伏するのだといいます。

主に神経節という部分に潜伏していて、免疫力が低下すると

ウイルスが再び活性化。これが帯状疱疹を引き起こします。

出典:帯状疱疹予防.jp

データを見ると、日本人の成人の9割が、水ぼうそうのウイルスを持っています。

ということは、帯状疱疹を発症するリスクも高い、ということになります。

発症年齢の統計も見てみましょう。

下の図は、宮崎県で行われた調査研究(1997年から2019年)による

帯状疱疹の性別・年代別の発症率のグラフです。

帯状疱疹の発症率は、50代から増加していて、60代70代も多いっ!

しかも女性のほうが発症数が多い傾向がありますね。

出典:帯状疱疹予防.jp

帯状疱疹は「皮膚の病気」だと思われがちですが、発症すると皮膚に症状が

でるだけでなく、神経にも炎症を起こして痛みが現れます。

しかも神経の損傷がひどいと、皮膚が治った後でもなお痛みが続くとか。

50歳以上で発症した人の約2割は3ヶ月以上痛みが続くという

データもあるというから、できればかかりたくないですよね。

その痛みは、人によっては「焼け付くような」と表現されるほど

激しい場合もあり、しかも重篤になると入院治療の必要になってしまうとか。

たかが水ぼうそうウイルスとあなどってはイケナイ!

けっこうやっかいな病気なのです。

帯状疱疹はどこにできる?経過は?治療方法は?

帯状疱疹の症状は、通常では身体の左右どちらかの神経に沿って

帯状に現れます。だから「帯状」というわけです。

(ごくまれに両側に発症する場合もあり)

発症箇所について

発症箇所についてのデータは以下の通りです。

頭部~顔面 17.6%

頸部~上肢 14.5%

上肢~胸背部 31.2%

腹背部   19.6%

腰臀部~下肢 17.1%

出典:石川博康 他 : 日皮会誌. 113(8), 1229-39, 2003 帯状疱疹予防.jp

顔面や頭部に症状が現れると、目や耳の神経が傷つき、

視覚や聴覚に異常が起こることがあるといいます。

重症化すると、視力低下や顔面神経麻痺などの症状が

後遺症として残るおそれも。

また首に発症した場合は、腕が上げられないといった

症状が出ることもあります。

症状の経過について

帯状疱疹の経過は、皮膚症状が出る数日前から1週間ほど前くらいに

皮膚の痛みや違和感を感じることが多いようです。

ピリピリ感がある程度の場合もありますが、かなりの痛みを感じる場合も。

その後、痛みや違和感をもった場所に発疹が現れます。

最初は小さなツブツブですが、やがて水ぶくれに変化していきます。

数も次第に多くなってきて、帯状に皮膚症状が現れます。

時には水ぶくれに膿がたまることも。水ぶくれや膿は1週間程度で

おさまり、かさぶたとなります。このような皮膚症状は3週間前後でおさまりますが、

色素沈着を起こしたり跡が残ってしまうこともあるといいます。

治療方法について

帯状疱疹の治療には、ウイルスが増えるのを抑える「抗ウイルス薬」が使われます。

これは内服薬として処方されるほか、抗ウイルス薬の塗り薬(軟膏など)もあります。

塗り薬は肌の表面でウイルスが増えるのを抑えられます。また皮膚の傷に対して、

抗菌薬などの塗り薬が使われることもあります。

帯状疱疹で起きる痛みに対しては、痛み止めの鎮痛剤が処方されます。

強い痛みが続く場合は、局所麻酔薬を注入して、

神経の伝達をブロックする治療が行われることもあります。

発疹が治った後も痛みが3ヶ月以上続く場合は

PHN(帯状疱疹後神経痛)の疑いがあります。

ウイルスが神経を大きく傷つけてしまうことにより、

皮膚の症状が治った後も痛みが続くというわけです。

PHNは薬による治療をメインに、神経ブロック注射やレーザー治療が

行われることもあるといいます。

ちなみに帯状疱疹を発症した人うち、50歳以上だと約2割が、

80歳以上の高齢者では約3割がPHNになるといわれています。

帯状疱疹を予防できる、ワクチン接種

帯状疱疹の症状が現れたら、すぐに治療を受けることが大切ですが、

帯状疱疹にならないように予防する方法があります。

その1つがワクチンで、50歳以上の方に推奨されています。

帯状疱疹を予防できるワクチンは2種類あります。

生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)

水ぼうそうの予防ワクチンとしても使われているものです。

これまで水ぼうそう・帯状疱疹にかかったことがある人向けで、

接種は1回でOKです。

費用は医療機関により異なりますが、1回約4,000~6,000円程度です。

不活化ワクチン(帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」筋注用)

帯状疱疹予防の目的に特化したワクチンです。

これまで水ぼうそうにかかったか否かおぼえていない場合でも

ワクチンを接種しても差し支えがないため、多くの方に推奨されています。

また免疫力抑制をきたす治療を受けている方でも接種できます。

接種は2回で、1回目から2ヶ月以上6ヶ月以内に2回目を接種します。

費用は医療機関により異なりますが、1回約18,000~25,000円程度です。

日常生活の改善で、予防をさらに強化!

ワクチンは帯状疱疹の予防にかなり効果的ですが、100%防げるものでがありません。

これはどんなワクチンでも同じですよね。

だからこそワクチンとともに日常生活を改善して、予防効果を高めましょう。

帯状疱疹の発症には、免疫力の低下と関係しています。

年齢による免疫低下は致し方ない部分もありますが、

疲労やストレスなどによっても免疫力は低下します。

また偏食や運動不足、睡眠不足なども免疫力を低下させてしまうといわれています。

免疫低下を避けるために、十分な休息をとり、規則正しい生活心がけるほか、

自分なりのストレス解消をみつけるなど、日常生活を改善して予防を強化しましょう。

私も帯状疱疹になりました、その経験談

ここまで帯状疱疹について調べたことをお伝えしてきましたが。

実は私詩人も、帯状疱疹にかかったことがあります。

それは30歳前後のこと、勤めていた会社を辞めた直後のことでした。

会社を辞めたはいいが、次の職場が決まっていない状態で

しかも引っ越しまでして環境に変化が訪れまくっていたためか

ストレスがマックス状態だったような。

ある日、上肢の肌に違和感をおぼえ、そのうちポツポツしたものが

できてきて「なんじゃこれはー!」状態です。

しかし当時は、帯状疱疹なんて知らない、聞いたこともない。

なに科の病院に行けばいいのかもわからず、とりあえず

内科と皮膚科の両方を診療科目としてあげている町医者に飛び込みました。

しかし、ここのお医者さんと、そりが合わなかった。

じーさんのお医者さんに「帯状疱疹です」と診断されたものの、

病気についての説明ナシ。

医院の壁に貼ってあるポスターを指さし

「この病気だから、これ読んで」とだけ。

短い診察時間だったため、ポスター全て読む時間なんてナシ。

しかも薬の処方ナシ。

「毎日通院してきて、そのときに薬を塗ってやる」と。

当時、面接やらなんやらで出かけることも多かったため

毎日通院なんて無理だと伝えるも

「うちは夕方6時までやってる、仕事が5時に終われば来れるはずだ」

じーさん医者に怒鳴られました。

自分の状況について説明しなかった(したくもなかった)ため

じーさん医者は、普通の会社勤めと思ってたんでしょうね。

なおかつ女性社員は残業なんてありゃしない、と。

そういえば昔は患者に怒鳴る医者って一定数いたような。

いろんな意味でアップデートしないタイプの方だったんでしょう。

早々にその医院を後にして、近所の医院を調べ直して

(なに科にいけばいいかはわかったし)

すぐに女医さんのやってる皮膚科にいきました。

(このお医者さんは親切で、こちらの希望もちゃんと聞いてもらえました)

当時はまだ若かったこともあってか、病状も軽くで済みました。

ところが、今から数年前、ウチの母が帯状疱疹になりまして

こちらは、けっこう大変だったみたいです。

同居ではないのでリアルに目の当たりにしたわけではないですが

痛みが強く、結構長引いたとか。

(愚痴が半端なかった。とはいえそれでストレス発散できるなら…)

PHNと診断されるまで長引かなかったのが、不幸中の幸いでした。

繰り返しになりますが、水ぼうそうのウイルスとあなどるなかれ。

痛みとともに暮らすのは、とても辛いものです。

帯状疱疹は1度なったら終わりではなく、免疫力が低下すると再発します。

予防できる手段があるわけですから、しっかり予防したいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました